解説
2006年の新会社法で、最低資本金額の規制が無くなり、資本金1円でも株式会社を設立することができるようになりました。それで、「1円起業」という言葉よく聞かれるようになりました。しかし、現実問題としては1円では起業できません。会社設立のためにも30万円程度の費用がかかりますし、事業を行っていくには運転資金が必要です。
今回のケースでは、おそらく不足する運転資金等は借入を起こしてと考えていると思われますが、資本金が1円では融資を受けるのも難しいです。最近は、法人口座開設も厳しくなっているため、口座開設自体が認められない可能性もあります。
また、借入を申し込んだ場合、融資担当者は資本金を見ます。既存の会社の場合は、金融機関は直近3期分の決算書から、会社の安全性をチェックします。創業融資の場合は、まだ決算書がないので、どれだけ自己資金を用意したかが安全性を見る指標になるのです。なお、日本政策金融公庫の「新創業融資」は、自己資金の2倍が融資の限度額となっています。