「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の期限が2022年6月末まで延長されます(1通/3通)
当事務所では、金融機関の担当者や支店長、OB等様々な銀行関係者と話をする機会が多くあります。友人・知人にも金融関係者が多くいます。そのような方たちとの話の中で共通して出てくるのは、昨今の金融機関の融資状況が正常ではないと感じていることです。また、最近の日経新聞において「ゾンビ企業の延命懸念」という見出しが出ており、財務状況が悪い企業への追加融資に対して慎重な姿勢への転換が匂わされています。
政府系金融機関の日本政策金融公庫の総裁も零細企業向けは個別案件ごとに融資判断しているとしており、業績が悪化しているからといって一律に援助するわけではないことを発言されています。
そこで、今回は最近の融資情報とその対策を含め3回にわたって解説していきたいと思います。企業様の状況によっては多少、不安となる厳しい情報も含まれるかもしれませんが、これが最近の融資情勢とご理解いただき、ぜひ御社の今後の安定経営の参考にしていただければと考えています。
今回の延長が最後になるかもしれません。早めの準備をおすすめします。
2022年3月3日の記者会見で岸田文雄首相は、中小企業対策の政策パッケージを発表しました。
今回は、その中でも中小企業に最も影響のある施策である
『2022年3月末が期限の実質無利子・無担保融資
(新型コロナウイルス感染症特別貸付)を6月末まで延長』
について解説します。
1.「新型コロナウイルス感染症特別貸付」期限延長は今回が最後かもしれない
コロナの影響は依然続いたまま。1回目に借りたコロナ融資の資金が枯渇し、2回目のコロナ融資による資金調達を必要とする中小企業が次第に増えてきました。
そこで「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の期限が6月末まで延長されました。
1回目の融資に比べて、2回目の審査は厳しくなっています。とはいえ一般的な融資に比べれば、
「新型コロナウイルス感染症特別貸付は借りやすい」
との声をよく耳にします。
背景に、「新型コロナウイルスの影響で資金繰りが悪化している中小企業に資金を供給する」という政府のコンセプトがあるのがその理由です。
2.政府は「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を終了させたい?
政府は、現在の融資状況が正常であるとは決して考えていません。
「有事」だからこそ「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を継続しています。
以前には「金融の状況も次第に正常化させなければならない」というコメントがあった直後に、事前のアナウンスなく、
「民間金融機関による実質無利子・無担保融資制度(いわゆるゼロゼロ融資)」が2021年3月末でひっそりと終わりました。
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」も同様に、
アナウンスなくひっそり2022年6月末に終了する可能性が高いといわれています。
3.6月末で終了すると、その後の資金調達の難度が上がる
6月末でさらなる期限延長がなければ、
その後は「コロナの影響で資金繰りが悪化した事業者」にとって
資金調達を行うハードルが確実に上がります。
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」では大きな下駄を履かせてくれていた側面がありますが、
通常の(コロナでない)融資ではそれがなくなります。
「返済可能性」を明確に示すことができないと、
なかなか審査に通りにくいでしょう。
追加で資金を必要とする事業者は、何としてでも6月末までに、
2回目の融資を借りておきたいものです。
2通目に続く。
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