税務調査時のチェック項目は多岐にわたりますが、ここでは、必ずチェックされる内容をピックアップして説明したいと思います。
収入金額が正しいかは、必ずチェックされると思って下さい。この金額がどこからきているのか等レセコンやレジ、領収書等と突合されます。ここでつまずくと他の内容についても疑いがかかってしまいます。金額が正しくても、注意が必要なのは売上の計上時期です。
これは意図的に売上の計上時期をずらそうとしているというだけではなく、売上計上の時期を間違っていないかというものも含めてチェックされます。例えば3月決算の会社が3月の売上を4月・5月に計上してしまっている場合などです。期ズレといって、こちらも売上金額と同時にチェックされます。場合によっては、個人の通帳や取引先等にまで調査が及ぶことがあります。
トータル金額がまずチェックされます。そして、事業との関連性について確認されます。あいまいなものについては、社長の個人的な経費が使われていないかという視点から、誰と行ったかなど、目的は何か、どのような話をしたのか等細かく突っ込んで聞かれることが多くあります。
人件費については、経費科目の中でも、金額や割合的大きくなるのでこちらも必ずチェックされます。タイムカードや給料一覧表、雇用契約書等人件費に関する書類から、架空の人を入れていないか、身内の人を誰か、源泉はきちんとしているか、給料は適正か等様々な確認をされます。
在庫と言うのは、仕入れたがまだ使用されていないものや販売されてないものを意味します。これらは、経費から控除しなければならず、そのまま経費として処理してしまうと税務調査時に否認されてしまいます。広告宣伝のためのチラシも棚卸が必要になってきます。
宣伝しようと思ってたくさんのチラシを購入したが、忙しくてまけない、まだ残っているというパターンです。このような計上漏れを防ぐためにも、日々の記帳が大切です。
まず、最初に理解しておきたいのが、税務調査が来る頻度です。税務調査はいつどれくらいの頻度でやってくるのでしょうか。もしかしたら、みなさん次のようなうわさ話を聞かれているかもしれません。
「2~3年に1回はきてるよ」「いやいやほとんどこないよ」「10年目にしてはじめてきた」「え~うち毎年やで」
これらの話はどれも全て真実です。というのは、税務調査の頻度は「会社によって全く違う」からです。友達の経営者が「6年に一回くらいはくるよ」と言っても信じてはいけません。3年目に来る時もありますし、10年間来ないケースもあるのです。では、どのように税務署は税務調査のタイミングを決めているのでしょうか。税務署では、法人を次のように区分けして税務調査を行っています。
一般的には実地調査は3~5年に一度ですが、継続管理法人は3年に一度、周期対象除外法人は10年近く実地調査が行われないケースもあります。*逆の言い方をすると、どのような会社でもほとんどの場合は最低でも10年に一度は調査が入るとはいえるのではないかと思います。
一般的には、このような法則を知っておくことで、ある程度の心構えにはなるかと思います。しかし、申告した申告書や決算書の数字に不思議なところや確認したいところがあればこのような法則とは関係なしにやってくるでしょう。
調査の際には、最低でも三年は遡ってチェックされるので、調査日が決まってからあわてて準備しても完全な対策は間に合いません。大事なことは、税務署が来る可能性があるということを理解して日頃から準備しておくことです
税務調査の可能性は、企業の状況により異なります。状況というのは、経営状況や申告状況のことです。ここでは、比較的税務調査が入りやすくなるという企業の傾向についてご説明します。
誤りが多い考え方として、「個人事業主だからといって税務調査がない」というものや「白色申告だからほとんどこない」というものがありますが、個人事業でも白色申告でも入るとき入るのが税務調査です。
表面的な申告方法によって調査が入る入らないが決められているわけではありませんので誤解のないようにして下さい。あくまで、経営状況と申告状況という企業の中身によって判断されています。
税務署も効率よくお仕事したいのは同じです。利益が出ているところの方が出てないところよりも、税金が取りやすいのは間違いありません。そのため、赤字の会社の場合、調査をしても法人税の赤字の幅までは税金を取れないため、黒字会社のほうが調査が入る可能性は高くなります。しかし、赤字でも消費税は発生するので赤字だからといって必ずしも税務調査が来ないということではありません。
還付と言うのは納めた税金が戻ってくることをいいます。消費税等について還付を受けた場合などです。一度納めた税金を戻すということなので、の還付が本当に正しいのかどうかをチェックされます。税金還付に関しては税務署の対応はやはり厳しいのです。
売上や利益が急激に伸びている会社や経費が例年より多い企業は、売上の漏れや架空経費がないかなど調査の対象となる可能性が高くなります。税務署では、毎年の申告時に提出する申告書や決算書等の数値をKSKシステムという税務署独自のシステムに入力しています。そのため、数値に大きな変動があると、すぐにわかるようになっています。
新しく設立された法人は、教育の意味を含めて一度3年目ぐらいで調査に入ることがよくあります。新設法人で比較的利益が出ている会社は3年目に税務調査が入るケースがあります。
全ての新設法人にあてはまる訳ではありませんが、入る可能性があることは認識しておいた方がいいでしょう。