その8:リスケを成功させるための経営改善計画とは?

A:リスケを成功させるための経営改善計画の作り方

リスケだけでは一時的な資金繰り改善にすぎません。同時に経営改善に取り組んでいく必要があります。

経営改善計画というと大変そうに聞こえるかもしれませんが、一つずつ着実に実行していけば必ず成果は現れます。少しずつでもしっかりと実行・実現させていく姿勢が重要です。

 (1)現状認識

損益計算書や貸借対照表の分析はもちろんのこと、もう少し掘り下げてみていきます。何が赤字の原因なのか、何をすれば会社は復活できるのか等どこに問題があるのかまで分析する必要があります。

あとどのくらい資金が持つのかのデットラインを把握することが非常に重要です。残された時間によりできることが大きく変わってくるからです。

この際の注意点は、売上を上げればすべてうまくいくという考えで分析しないことです。この考えで現状分析を開始すると分析があまくなる傾向にあります。

そして、自社の窮境原因を正直に公開するという気持ちを持ってください。正しい分析によった結果を正直に公開しなければ、この段階でおいても社長が原因を理解していないと思われ「社長としての能力への疑い」や「信頼関係構築の難しさ」「再度繰り返す疑念」が生まれ、銀行からの協力が得られにくくなってきます。

 (2)改善計画(ここにあるのは必ず計画に含める必要がある内容です)


①  無駄な経費の削減
自社は今まで通り自由に経費を使い、銀行の返済はストップでは銀行を納得させるのは難しいでしょう。痛みの共有は前提です。具体的には、役員報酬の削減や交際費等の無駄な経費の削減が挙げられます。しかし、なんでもかんでも削減してしまうとかえって経営に支障をきたす可能性があるので、そこはしっかりと選別する必要があります。

 

②  当面の資金繰りの確認
一時的に返済がとまっても、売上が伸びてもそれが継続されなければ会社の経営改善を達成することはできません。資金繰りは常に把握しておく必要があります。このままいけばどうなるのか?デットラインはいつか?
資金繰りはボクシングです。キャッシュが0=一発KOとなりますので最低でも必ず月次資金繰り表は作成して、どのくらいの資金があるのかを常に把握しておきましょう。

 

③ 売上計画ビジネスを成長させる右肩上がりの経営計画ではなく、売上横ばい以下でも潰れない資金計画が基になります。なぜなら、一度経営の見通しを誤った社長の急激な売上回復シナリオは心情として信用しにくいからです。

④ アクションプランの策定
誰が、いつ、何をして、どのような効果が見込まれるのかを明示する必要があります。
数字だけを並べた計画では納得はしてもらえませんし、自身でのチェックもできなくなるのであとで確認できるようにかならず誰が、いつ、何をして、どのような効果が見込まれるのかを明示します。

 

返済額
当初は0円まで返済額を減らし、一定期間経過後で資金が回るようになってきたら、キャッシュフローの70%ぐらいを返済に充当し、融資残高シェアに合わせて返済額を決定するのが良いでしょう。間違えてもぎりぎりの計画をたてて、リスケしても返済できなかったという事態にならないようにしましょう。
また、リスケ終了後の返済額については。明確な約束はしないのも重要です。

*社長個人も銀行から借り入れがある場合、法人と合わせて個人名義の借入もリスケをするのが良いでしょう。

 

POINT!
リスケ成功に肝になる経営改善計画書の作り方は様々なポイントを押さえよう
改善計画書の着実な実行こそがリスケ成功の王道

【記事著者情報】

福岡県福岡市早良区の税理士事務所
福岡県福岡市早良区の行政書士事務所


鹿田税理士行政書士事務所
鹿田知倫

(保有資格)
税理士(北部九州税理士会所属)
行政書士(福岡県行政書士会所属)
経済産業省認定「経営革新等支援機関」