その7:リスケに成功する会社と失敗する会社の違いは?

A:まずリスケ成功の定義を「数か月返済を止められた」としてもあまり意味がないので「リスケすることによってその企業が正常に融資を返済し存続可能な状態になった」とします。

リスケに失敗する会社と成功する会社の特徴を比較すると下記のようになります。

 

リスケに失敗する会社の特徴リスケに成功する会社の特徴
資金がカツカツで身動き取れなくなってから、現状の深刻さに気付く。急に返済を止めるも、手元資金がなくジリ貧状態に。頑張りすぎ社長は注意資金繰り計画を確認し、手元資金がある状態で、返済を止めることにより活動資金が残る。これにより、少しずつ経営改善を進める時間を確保。
返済猶予だけで安心して経営改善がされず、一向に減らない借入残高と、順調に年を重ねる自身との差に悩み始める。返済猶予は、経営改善の時間稼ぎと理解し、経営改善計画をたてて着実に実行していく。
売上をあげればなんとかなるだろうという安易な考えで、右肩あがりの売上を妄想しながら経営を進めていく。売上は保守的に見込みながら、このような状態でも経営が回っていくように経営改善を積み重ねていく。
銀行の言うことはすべて受け入れてします。又は逆で突っぱねすぎてしまう。内容を確認し、話し合いや交渉によりできる範囲で柔軟に対応していく。

一言でいうと、「計画的な経営の実践の有無」がリスケの成功・失敗の鍵となるということです。リスケを選択せざる負えなかった理由は何でしょう?リスケを目指して経営している経営者いません。全ての社長は、自分なりの成功像を目指しながら中小企業経営を行っています。しかし、多くの中小企業業が経営に苦しみ、一部の会社はリスケという選択をせざる負えない状況となっています。

私は多くの中小企業経営者とお話する機会がありますが、経営難に陥いる会社の特徴として経営の現状認識が社長の頭の中と現実が乖離しているケースが多いことを感じています。

そのため、リスケを成功させるためには、社長の頭の中と現実のずれを把握するためにも現状や将来を可視化した計画的な経営を行う必要があります。その際に作成するのが経営改善計画書です。

 つまり、リスケが成功するか否かは、経営改善計画書の作成の有無、経営改善計画書の中身、経営改善計画書の実行の有無で決まってくるということになります。

POINT!
① 経営改善計画がリスケの成功・失敗の最大の鍵
②  ぎりぎりまで頑張り過ぎ社長」や「売上さえあげれば社長」は注意。まずは早期の現状認識がスタート。

 

【記事著者情報】

福岡県福岡市早良区の税理士事務所
福岡県福岡市早良区の行政書士事務所


鹿田税理士行政書士事務所
鹿田知倫

(保有資格)
税理士(北部九州税理士会所属)
行政書士(福岡県行政書士会所属)
経済産業省認定「経営革新等支援機関」